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2013年12月







12.31
新しい仕事場の、仮デスクで年賀状のプリントをしている。
間もなく8:00になるところだ。
終わったら古い仕事場のデスクで宛名を書くつもり。
今頃かよ。
今頃だよ。



クッションフロアーを貼るときのボンドのためか、
ひどく手が荒れてしまった。
爪の際の皮膚が裂けてひどくイタイ。
たまらねえぜ。





12.29
豆屋ワンダーランド。
南の四畳はもともと土間になっていた。
が、使い勝手が悪かったのか、買ったときは松の板が敷き詰められていた。
けれども、ひどくたわむし、土間としても上がり框としても中途半端。
そこで、余った畳を敷き、半畳ほどにコンパネとクッションフフロアーを張って靴脱ぎ場にした。
ここからなら仕事場にも近いし、手前に洗濯機を置いたので、洗濯物を干すのにも便利そうだ。
余った材料で作った割には悪くない。

  

洗濯機置き場のコンパネにも、クッションフロアを貼る予定。
めんどくせえが仕方がない。





12.27
『めんどくせえ!』
今日、銀行の窓口で怒鳴ってしまった。
たったそれだけのために、何度も足を運ばされた上に、まだハンコだ、書類だと言われたのだ。
『何だ!この野郎!』
オレのクルマとぶつかりそうになったバイクの高校生が、オレを睨みながら進路を妨害した。気が付いたとき、オレはクルマの窓を開けて怒鳴っていた。二十数年前、この北関東の田舎町に来たばかりのことである。この町の中心地。思えば上の銀行から僅か数十メートルの場所だった。
オレはこの町に来てすぐに怒鳴り、そしてまた怒鳴って去っていく。
結局、オレはこの町に最初から最後まで馴染めなかったのかもしれない。







12.26
痛風の激痛。
ぎっくり腰のハンパねえ痛み。
そして、別件で脛を強打し骨膜が見えるほどの怪我で四針縫合。
それでも負けずに、工事を進めた。
ようやく作業場が完成。
これから引っ越し。
床が抜けないことを祈るばかりだ。



ヘタクソな工事。
気に入らないところばかりだ。
素人なのだから仕方がないとはいえ、
もう少しマシな仕事はできねえもんだろうか。
オレ様がこれほど不器用だとは思わなかったぜ。





12.25
言われたことはちゃんとやっている。
職人ならそんなことは当たり前。
即ち半人前。
言われる前にやってようやく人並み。
それで初めて一人前。
小説も同じ。
編集の要望通りに書いて作家とはちゃんちゃらおかしくて屁が出るぜ。



二十年振りに通勤をしている。
途中、所々から筑波山が見える。
いとをかし。





12.16
間もなく光ファイバーが遮断される。
今週中には再接続したいものだ。







12.13
時間があれば片付けに追われている。
とにかくあれやこれや忙しい。
嫌になる。



古い新宅は自家水を使っている。
つまり井戸。
打ち込み井戸だから、たぶん深さ100メートルとか200メートルはあるのだろう。
隣地にはお岩さんが登場しそうな浅井戸もあるけど、
こちらは汚染されていて飲用には使えない。

北関東の田舎町。
今朝は氷点下の冷え込みだった。
それでもさすがは井戸水。
まるで温水のような温かさだ。
洗面所が使えないので、外の水道で洗顔をしているのだが、
流し台から湯気が立ち昇る。
ありえねえ。





12.11
朝、小学生の登校班をよく見かける。
列をなして学校へ向かっているのだ。
黄色い帽子を被り、赤や黒のランドセルを背負い、一列になって歩く姿を見るにつけ、なぜか悲しくなってくる。
その弱さと従順さに所以するのだろう。
根底にあるのは、社会というか、世界というか、人生というか、そういった巨大な存在との対比に違いない。



引っ越しは遅々として進んでいる。
小説はそれ以前の問題だ。





12.9
ようやく柱の増設と床の補強が終わった。
後は筋交いを入れて、クッションフロアーを張ればとりあえず終了。



日曜日。
上の写真の工事をしていたら外で声がする。

『ごめんくだしゃい。ごめんくらひゃい』
『はい』
出ると90歳は超えていようかという老婆。
『ここ、借りたのか?』
『いえ、住むことになった者ですけど』
『ここか』
『ええ、こことあっちと』
『そうか、人に貸すんじゃねえぞ』
『はあ』
『誰にも貸すんじゃねえ』

老婆はそれだけ言うと、杖を突き突き去っていった。
北関東の田舎町。
これじゃあ、まるで八つ墓村だ。





12.6
今朝、インコが死んだ。







12.3
北関東の田舎町。
夜9:00
静寂。
駅前だというのに物音ひとつ聞こえねえ。



さすが、築35年。
豆屋ワンダーランド。
ヤモリが朝風呂を浴びに来ていた。







12.2
文学賞の発表がある。
『予選通ってましたよ。おめでとうございます』
本人がまだ知らないかもしれない状況で、ネットの掲示板などに書き込むひとがいる。
オレには理解できない行動だ。

精魂込めて小説を書いた。
祈るような気持ちで応募した。
不安と期待を胸にその文学賞のサイトを開く。
書店で小説誌を手に取る。

あるいは、学校を受験する。
合格発表の日、不安に押し潰されそうになりながら、それでも勇気を振り絞って会場へ向かう。
『合格してましたよ。おめでとうございます』
途中、たいして親しくもない人に知らされる。

ある芥川賞作家が某評論家に言っていた。
『こちらに連絡が来る前に、結果をツイートするのは止めて欲しい』
大物評論家にモノ申すからには余程悔しかったのだろう。

自分の人生の結果は自分で知る。
その楽しみを奪う行為。
それを好意だと勘違いしているだけに始末が悪い。

まあ、芥川賞の彼は、ひたすら電話を待てばいいのであって、ツイッターなど見るべきでないと思う。他人に先駆けて知り得た情報を、一刻も早く配信するのは、当該作家にとって不愉快でも、読者にとってはそうでないからだ。つまり良くも悪くもプロの仕事ということだ。

しかし、これがアマチュアなら話は別だ。
推理小説の結末を教える程度にエチケット違反だと、オレは思う。



アイスランドに行った。
ストリートビューで。
オレはもうこんな所に住みたいよ。





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